夫婦のシェアハウス

子育て、仕事、生活の喜怒哀楽を共にしてきた夫妻が、福知山での新たな暮らしのために建てた住宅。
家族がお互いに好きな事を大切に想いあえる、共有と専有をあわせ持つシェアハウスのような居心地がコンセプト。
団欒を愉しむパブリック空間は余白をしっかりととり、愛読書棚をエントランスホールとの間仕切りにすることで、ひとつのライブラリースペースとして広がりと空間の自由さを生んでいます。

地域特有の気候条件を克服

福知山の夏は高温多湿で風がなく、冬は厳しい寒さと曇天が続く日本海側特有の気候を克服する快適さの実現を求めて設計しました。
平屋を主体とし、土間と吹き抜けで光と温熱環境を最適化。
小さな2階は下階の環境を作り出す空調装置でもあり、土間空間の熱容量と併せて採光・集熱で設備の負荷を最小限にしました。
共有の庭・専有の庭は外部からの視線を遮り、家族として、一人の人として、穏やかな時間を過ごす場を作り出しています。

閉塞感が増す福知山の街並みへの1つの解

街路に面した公開空地の奥に駐車場を配し、その奥に1ｍの土盛りを行い平屋を建てました。
駐車場奥の壁は一部切り取られ、昼は吹き抜けからの光、夜は暮らしの明りが差し、室内の暮らしを街ゆく人に感じさせています。
小さな2階部分はルーバーで包むことで、空の色を映し出し街路からの存在を薄めています。